お知らせ
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作成日:2023/02/01
10月から施行された社会保険改正の概要について



 社会保険も時代に合わせて変更が加えられ、直近では短時間労働者の適用範囲拡大といった改正が反映されています。従来と比べてどのような見直しが行われたか、概要をおさらいしましょう。

 

●被保険者数101人以上の事業所で働く短時間労働者が加入対象に

社会保険関連で令和4年10月から施行された制度改正の目玉として、短時間労働者の被用者保険の適用拡大があります。従来は健康保険・厚生年金保険に加入できる週20時間以上の短時間労働者は、被保険者数501人以上の事業所で働いていることが要件でしたが、改正後は101人以上の事業所で働いている人が対象になりました。さらに令和6年10月からは51人以上の事業所で働いている人まで対象が広がり、社会保険に加入する中小企業の短時間労働者が大幅に増加する形です。

また適用対象の短時間労働者について、勤務期間1年以上という要件が撤廃され、現在は「週20時間以上の労働」「月額賃金8.8万円以上」「2カ月を超える雇用の見込みがある」「学生ではない」という要件を全て満たせば加入することが可能です。

 健康保険・厚生年金保険について、事業主や従業員の意思に関係なく加入が定められている事業所を、強制適用事業所といいます。この強制適用事業所の範囲について、常時5人以上の従業員を雇用する場合の要件に、10月から士業の個人事務所が加わりました。具体的な対象は弁護士、沖縄弁護士、外国法事務弁護士、公認会計士、公証人、司法書士、土地家屋調査士、行政書士、海事代理士、税理士、社会保険労務士、弁理士です。

 

●育児休業等の保険料免除要件も拡大

社会保険料免除に関する適用拡大では、短期間の育児休業等取得のケースが挙げられます。従来の免除要件(育児休業等を開始した日の属する月から終了する日の翌日が属する月の前月まで)に加え、改正後は育児休業等を開始した日の属する月内に、14日以上の育児休業等を取得した場合も、その月の保険料が免除されることになりました。また賞与保険料は、1カ月を超える育児休業等を取得した場合にのみ免除されます。

 逆に適用範囲が狭められるケースとして、老齢厚生年金を受給している65歳未満の障害者(障害厚生年金1級〜3級に該当する障害の程度にある人)または厚生年金保険の被保険者期間が44年以上ある人は、年金の定額部分(加給年金額が加算されているときは加給年金額も含む)が全額支給停止となるため注意が必要です。ただしその対象者が支給停止の一部解除届を提出すれば、引き続き定額部分を受給することができます。

 今回の改正は社会保険加入者の対象拡大が主なポイントとなっていますが、新たにその対象となった本人は、手取り収入の減少などデメリットを感じてしまうかもしれません。しかし将来的には年金額の増加といったメリットもあるため、ライフプランを見直す一つのきっかけになるでしょう。

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